ターボプロップエンジン(C-130H/J&E-2C&US-2)のブレードについて
先日搭乗したDHC8-Q400は多くの方がご存じのように、ターボプロップエンジンを搭載しています。
ジェットエンジンの軸流の力でプロペラを回転させその推力で飛行することは、航空工学等を学んでいない方でもご承知の方が多いと思います。(老若男女のブログを拝見しての感想)
ジェットエンジンにしても、ターボプロップエンジンにしても、エンジンカバーで覆われているため、一般の方が内部構造を知ることが出来ません。
静岡県浜松市にある航空自衛隊浜松基地の敷地内にある浜松広報館(通称:エアパーク)があり、こちらにF-104Jに搭載されていたJ79-IHI-11AやT-4に搭載されているF3の実物が公開されています。
こちらがF3エンジンのカットモデル。
照明で光っており、見難いと思います。
推力が小さいので、圧縮タービンも段数が少ないですね。
こちらはF-104Jの搭載されていたJ79エンジン。
F-4EJに搭載されていたJ79-IHI-17Aはこのエンジンの後継エンジンです。
右後方から撮影。
圧縮タービンの段数をお見せしたかったのですが、手持ちに画像がありませんでした。
このような形で、簡単ではありますがエンジンの動作原理(吸気→圧縮→燃焼→排気)を知ることが出来ます。
さて、冒頭のレシプロエンジンについて。
航空自衛隊のC-130Hに搭載されているT56-15エンジン。(千歳基地航空祭)
エンジンについているブレード(プロペラの羽ですね)の形状、多くの方がイメージする平たい形状をしています。
こちらは、南西域で中国機の動向を監視しているE-2C早期警戒機。(那覇基地航空祭)
このエンジンもC-130Hと同じく系列のT56-425エンジンを搭載しています。
こちらのブレードも平たいですね。
(機体の大きさに比して、ブレードが大きいと思います。)
ちなみに、左右のブレードの位置が異なっていますね。
NO.2エンジンのブレードはフェザー(フェザリング)の位置にあります。
このエンジンは、空自2機種と同じT56エンジン(T56-14)を搭載しています。
3機種とも、ブレードの幅が広いのがよく分かりますね。
では、アメリカの最新鋭輸送機(画像はMC-130J)を。(横田基地日米友好祭)
ブレードの形状が空自機と異なっています。(平たくないですね)
エンジンを接写。
米空軍のC-130Jは、ロールスロイス社のAE2100エンジンを搭載しています。
海自の救難飛行艇US-2は、AE2100Jを搭載しています。(後述)
エンジン性能の向上などにより、従来の平べっいブレードから後退角付のブレードが主流になっています。
アエバス社のAM400A400M輸送機も同様ですね。
でかいですね~。
もっと寄ってみましょう。
真正面からなので分かりにくいですが、ブレードに後退角が付いていますね。
AE2100Jエンジン。
スピナーをアップで撮影したため、肝心のブレードの形状が分かりません・・・。
C-130Jと同じなのはかろうじて分かるか・・・という程度。
ついでですので、US-2が入水から離水する前までの様子を数枚貼ります。
このスロープから海に入ります。
小雨交じりの天候の中での撮影。
離水ポイントまで水上航行。
少し角度が変わったところで撮影。
US-2の着水シーンってなかなか見られませんので、悪条件下ではありましたが足を運んで正解でした。
機体の背景は、大村航空基地の庁舎や隊舎です。
航空祭に来た方々も大勢見ています。
この後離水して岩国航空基地へと向かっていきました。
さてDHC8-Q400のエンジンであるPW120。
こちらもブレードに後退角が付いていますね。
ブレードは小石等により傷がつくことがあります。
冒頭のC-130Hのブレードも塗装が剝がれているように見えますね。
こんな感じで補修(又は保護)しています。
TO(Technical Order)に規定された補修の範囲を超える傷などが生じた場合は、ブレードの交換となります。
後退角の付いたブレードは少しいかついなという感じがします。
プロペラ機、国内大手ではANAのDHC8-Q400の他にはJAL系列のATR42-600くらいしかありません(HACのSAABは年内運航終了しますし。)。
また乗れないにしても自衛隊機や米軍機、航空祭等で見かけたらどんどん記録していこうと思います。